世は三連休なれど、ノボさんは今日もせっせとお仕事。
なのに、ひさびさに手のかかる書評です。
んで、今日紹介するのは最近復活した筋肉少女帯のヴォーカルとしてもお馴染み、しかしノボにとっては作家としての活動の方しか愛せない、大槻ケンヂ氏の文庫最新刊。
内容を簡単に説明すると、アマチュアバンドの初めての全国ツアーを背景に、主人公であるギタリストの耕助と、ゴスロリ姿の謎の女、町子との何とも不思議な心の交流が描かれる青春ロック小説です。
…と書くと、何やら物凄く爽やかなイメージを持たれてしまうかもしれませんが、そこはオーケンの書く物語。
ただの爽やかで終わる訳がありません。
登場人物全員、きっちりトラウマ持ちです。しかも、文学界では結構ベタな設定です。
しかし、その明かされ方が丁寧で上手いせいで、エグさや退く、といった感情よりも気がついたら自然とキャラに感情移入してて、先行きを応援したくなる状態に。
そして、メインである耕助と町子の交流と並走するように描かれる、マネージャーでバンド内唯一の大人、得山のジレンマと(実はこちらの方が真のメインテーマかも知れぬ)、実名のライブハウスも多数登場する、オーケンならではの超リアルなツアー楽屋裏描写がこの世界をより鮮やかに、より愛すべきものとしています。
特に、得山が抱いている理想と現実との葛藤は、全てのオタ社会人が内包してるだろう葛藤であり、ノボさんも読んでて凄く気持ちが分かりました。
そして、ラストの”バンド”というものに対する得山の魂の叫びはきっと、リアルに音楽業界で生きてきたオーケンの叫びそのものなんだなー、と思うと何だかほっこり。
なので、話自体は結構えげつないのに、読後感は雨上がりの青空の如くスッキリ!
本当に、オーケンはいい人(&恥かしがりやさん)ですな〜。人格が行間から滲み出てるもんね!
この人の書く話って、難しい言葉や言い回しはほとんど使ってないのに、この人柄のお陰かどんなにグロいものを書いたとしても、やっぱり表現が丁寧でとても優しい。
だから食わず嫌いせず、多くの人に彼の話の良さを知ってもらいたいんですけどね。
んで、コレにハマッたら続けて「ステーシー」とか、「新興宗教オモイデ教」とかも読んで欲しいなぁ。
で、最後に腐女子的視点で見るオーケン文学のお話をば。
…実は、オーケンの書くお話にはかなりの割合で男同士の交流(直接的にせよ、間接的にせよ)が登場します。
んで、今回の”ロッキン〜”は流石にボーイミーツガール的な話なので、そういった要素の出る幕はあるまい…と思っていたならば。
…いたよ。(ギャグだけど)
「好きだぁぁぁぁっ!!」と雄叫びながら耕助を慕って全国どこまでも追っかけてくる、熱狂的ファンの通称「ロリータ18号」が!
つか、このヒトたかがアマチュアバンドの一ギタリストに血道を上げてるのも凄いのだが、行動力がマジハンパねぇです。究極は、「オマエいつ作ったんだよ!?」とツッ込み必至な手作り同人誌プレゼント。(しかもやおい。しかも複数カプ)で、マネージャー×耕助も描いておきながら、マネージャー本人に手渡してるって…
猛者だ。しかもこのヒト、ラストでは何気にすごい事になってるし(笑)。
つか、自分も同人やってるせいか、直接送り付けとか一切やってないのに、このシーンだけ読んでて異様に恥ずかしかったのは何故だろう;
これはアレか?”人の振り見て我が振り直せ”というオーケンからの暗示なのか?(絶対違う)